ウェブ、印刷ディレクターに最低限必要な能力
僕はこれまで、印刷会社とウェブ制作会社でディレクターとして働いてきました。「ディレクター」という職種がピンとこない人のために簡単に言うと「営業が受注した案件を、クライアントとクリエイターの間に立って納品まで滞りなく進むように調整、管理する」仕事です。企業によって異なると思いますが、僕が勤めていたような小さい会社では、営業とデザイナーやコーダーなどのクリエイターの仕事以外のすべてがディレクターの業務範囲となり、必要な知識やスキルの幅が非常に多岐に渡ります。
もちろんそれらの能力をすべて備えていることが理想ですが、そんな人はほとんどいないと思います。(当然僕にもありません)
そこで、僕がこれまで仕事をしてきた中で、これができれば最低限ディレクターとしての役割を果たすことができるというものに絞って、必要な能力を挙げてみたいと思います。
ディレクターに最低限必要な能力
フットワークの軽さ
上でも述べましたが、ディレクターは営業、クライアント、クリエイターの間に立って案件を円滑に進めることがもっとも重要な仕事です。予算を削りたい営業、クライアントの無茶な要望、クリエイターが上げてきた成果物が思ったものと違う・・・など、周りに振り回されることは日常茶飯事です。そのような場合にどう上手く立ち回るかがディレクターの腕の見せ所でもあるのですが、最も大切なことは「即時対応」だと僕は思っています。例えばすぐにメールを返信する、電話で確認するなど、とにかく問題を先送りにしないことが重要です。さらに言えば、電話やメールで済ませるのではなく、なるべく直接会って面と向かって話をした方がより効果的です。レスポンスが早いこと、そして自分からどんどん働きかけることはそれだけで相手に好印象を与えるものなので、やって損はないと思います。
調査、検索能力
優れたウェブサイト、印刷物を制作するために最も重要なのは素晴らしいアイデアやセンスではなく(もちろんそれも必要ですが)制作に必要な情報をどこまで事前に準備できるかだと思います。参考になるデザインや写真、説得力を持たせるデータなどは、あればあるほど制作の助けとなります。そして、それらの資料はインターネットや書籍の中のどこかに必ず存在しています。あとはそれを探し出し、必要としている相手に届ける。それがディレクターの重要な役割の一つです。そのためには日々の情報収集、常にアンテナを張っておくことが欠かせません。
危機管理能力
フットワークの軽さにも通じますが、例えばスケジュール通りに進んでいない、デザインがイマイチ、など「このままいくとヤバい」という危険をいち早く察知し、それを回避する能力がディレクターには求められます。これが上手くいかないと、いわゆる案件の「炎上」が容赦無く発生します。また、特に印刷物は刷り直しを避けるため、絶対に誤植があってはいけない点(金額や電話番号など)やミスが起きそうな点を押さえてチェックを徹底することも大切です。逆に言えば、外してはいけないポイントだけをしっかり押さえておけば、あとはどうにかなるものです。
まとめ
以上が僕の考える「ウェブ、印刷ディレクターに最低限必要な能力」です。ディレクターとして最低限の仕事を全うするために、特別なスキルは必要ありません。言ってしまえばビジネスマンとして当たり前のことを、どれだけ高いレベルで遂行できるか、ということです。(それが難しいのですが)
今回は最低限必要な能力を挙げてみましたが、次はさらに一歩進んで、ディレクターが持っていたほうがいい能力、というのもやってみたいと思います。
コメント
コメントを投稿